あらゆる視点から商品を見つめ、独特なオリジナル商品を生み出すCrews Maniac Sound
今回は株式会社クルーズ 村田氏に、多くの可能性を秘めた新製品のパワーサプライユニット「DC-TRAIN」についてミュージックランド下田と語っていただきました。
対談
株式会社クルーズ
村田 善行
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MUSICLAND KEY
下田 紀彦
(L to R)
株式会社クルーズ 村田 氏
MUSIC LAND 下田
「TRAIN」っていうだけあって連結出来ます
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下田(以下、下):今日はよろしくお願いします。
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村田(以下、村):こちらこそお願いします。
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下:早速ですが、先日発売になったCrews Maniac Soundさんの「DC-TRAIN」について今日はお話しをお聞き出来ればと思っていますが。
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村:はい。今までエフェクトシステムを製作する上においてパワーサプライの取り回しが凄く大変でした。それはノイズの問題だったり、アンペア等、容量の問題だったり。その事から今回のDC-TRAINを製作する事を決めました。
まず特筆すべき点はレギュレーターを2系統に分けている点ですね。要するに前3つに歪み等のアナログエフェクター、後ろにディレイなどのデジタルエフェクターを繋ぐ事で、ダイナミクス系やデジタルエフェクターから回り込むノイズの干渉を防いでます。また、安価なパワーサプライだと「デイジーチェイン」と同じ様な構造(見た目はボックスタイプだが中身は単純なディジーチェイン接続されているだけの物)で電流を送る物が多いので、接続した1個のエフェクターにトラブルが発生すると他の回路にまで影響が出てしまう。そういったトラブルを防ぎたかった。もちろん各1ヶのOUTにそれぞれレギュレーターを付ければ、さらに良いのは当然なんですけど、そうするとコストが上がる……、メイドインジャパンでこの価格帯での提供は難しいかな、と。
今回はクオリティはもちろん、音質も良くしたい。そして皆様のペダルボードで使っていただける価格、そして必要最小限のスペックを考え、今回のDC-TRAINが完成しました。このDC-TRAINを製作する段階で各ブランドのサプライを研究しましたが、意外とレギュレーターを付けてない様なブランドも多く、そういった意味でも手頃な価格できちんとしたものを提供したかったんです。
また、DC-TRAINは「TRAIN」っていうだけあって連結出来ます。DC-TRAINを1個使用であれば9Volt 6口と15Volt 1口、2個使用すれば9Volt が12口で15Volt 1口と言う様に、9Voltの出口が圧倒的に増えます。
送り出しの容量はあるに超した事は無い、(付属アダプターは)余裕を持っての2A
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下:このDC-TRAINの付属アダプターは2Aと大きな容量ですが、ここまで必要なんですか?
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村:まずは単純に安定感、それとライブハウスなどで起こるのが電圧の問題。もちろん元から電圧が低いとどうしようもない事もありますが、送り出しの容量はあるに超した事は無いと言う事と、大きなペダルボードを組む時に、意外と容量不足から起こるトラブルがあります。これらを考えた時に、なるべく大きな容量を用意しておく必要があると考えました。更にはDC-TRAINを数台連結した時に接続されるペダルの総数とアンペアを想定して、余裕を持っての2Aとなります。
実際に1個のDC OUTに300mAの容量があれば、容量の大きなデジタルペダルも使用出来ます。ただ、たとえ容量はOKであっても一部のデジタルエフェクターは専用のアダプタを使用しないとスイッチング・ノイズを発信したりします。この辺りは「相性」の問題もあるかと思います。
また補足ですが、別のメーカーさんでトランス型のアダプターを使用している所もあります、容量は小さいですが、音質が良いというのが売りになってます、Crewsのアダプターはスイッチング方式で容量が取れますのでデジタルエフェクターの連結が可能となりアナログエフェクターの数も取れます。どちらをメリットとするかでチョイスすると良いと思います。今回、我々が選んだのは後者のスイッチング方式となります。
コンパクトで連結出来て安定した電圧を供給でき、価格も抑えられるというのが目的
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下:昨今18V対応のエフェクターが増えて来て、当店でも18Vのアダプターを必要とされている方がいらっしゃいますが、このDC-TRAINは何故18V OUTにしなかったんでしょうか?
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村:まずは当社から既に発売しているエフェクター「G.O.D」などが15V対応だからと言う点と、18Vのニーズがそこまで多いのかと言う点ですね。18Vのニーズについては対応可能だったのですが、結局コストの面と本体の容量が大きくなるという点、それと今回はコンパクトで連結出来て安定した電圧を供給でき、なおかつ価格も抑えられるというのがそもそもの目的でしたので、15V仕様にしたという所でしょうか。
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下:なるほど。18Vという点については最近のブティック系の歪みなど18V対応となっていますが、当店のお客様でも2分化しています。
18Vで使用した時の良さってヘッドルームが広くなりダイナミックレンジも広がりサウンドに張りが出てくる、これが18Vを使用した時ですが、逆に9Vで使用した時のあのイナタさが良いと言う方もいて2分化しています。村田さんはどうお考えですか?
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村:確かに18Vで使用した時はヘッドルームが広くなりレスポンスが良くなるので指先のニュアンスが出したい方は18Vがお好きなんでしょうね。もちろん、9Vで使用した時の歪み感、特に暴れる感じはやはり9Vの方が出易いですので、そういった方は9Vでの使用がお勧めですね。あと、プラスマイナスの極性が合っていれば、壊れる事はないと思うので、18Vの歪みペダルを15Vで使用してみて欲しいですね。ユーザーの皆さんの中には、そうやって使用する皆さんもいらっしゃいますので。
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下:今後の展開はどうですか?
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村:来月位にはDC-TRAINの別のモデルとして、10V×3と12V×3, 15V×1の「DC-1012」と、9V×3と15V×4の「DC-0915」の発売を予定しています。10Vは歪みペダルの音質に関係しますし、12Vはデジタルエフェクトでよく使用されていますので、こちらのモデルも上手く使用して、ボードの中を上手くまとめていただけたらなと思います。
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下:本日はありがとうございました。
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村:ありがとうございました!
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Crews Maniac Sound DC-TRAINの解説を動画でチェック。