一流のトップミュージシャンの機材組み込みを多数こなし一切の妥協を許さない完璧な仕事集団 Custom Audio Japan
今回は(株)オカダインターナショナル 柳島氏にお越しいただき、Custom Audio Japanの新製品である、プロのニーズにも応えるシンプルでコンパクトなエフェクトループシステム「Loop and Link」についてお聞きしました。
対談
(株)オカダインターナショナル
オーディオエンジニアリング事業部
柳島 直行
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MUSICLAND KEY
下田 紀彦
(L to R)
(株)オカダインターナショナル 柳島 氏
MUSIC LAND 下田
シンプルでいてコントロールし易い、それでいて必要十分なスペックという事を考えています
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下田(以下、下):今日はよろしくお願いします。
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柳島(以下、柳):こちらこそ、お願いします。
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下:今日は新製品の「Custom Audio Japan Loop and Link」について色々お伺いしたいと思います。まずLoop and Linkですが、こちらの商品の発表に至る経緯を教えてください。
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柳:はい。まず当社のエフェクトループシステムに「RS616」や「RS442」がありますが、今までプロミュージシャンを始め多くの方に組んでいただきましたが、どうしても金額が掛かりシステム自体が大げさになります。今回Loop and Linkでは、そうでなくもっと簡単にプリセットでき、より多くの方に手に取っていただきたいという事と、もう一つはプロミュージシャンの現場で最近ちょっとしたGIGや小さめのステージでプレイする時に「もっと簡単なエフェクトシステムは無いの?」と言われる事が結構ありまして、そういった事からもこのモデルの発売に行き着いたという所でしょうか。
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下:我々のイメージ、特にお客様からのイメージは「良い商品なんだけどCustom Audio Japanの商品は高くてどう使っていいのか分からない」というイメージを持っておられる方が多いと思いますが、この商品はエフェクトシステムを組んだ事の無い方に対しても始めの一台としてお勧め出来ますか?
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柳:もちろんです。ちょっと話しが逸れますが、元々Custom Audio Electronics(Bob Bradshaw)というアメリカの会社がありまして、その商品は正直プロミュージシャン向けの機材がメインとなりますが、そこのノウハウを継承しつつ一般向けというと変ですが、もっと使い易くお客様に近い所での機材を提案するのがCustom Audio Japanとなります。少し前ですがCustom Audio Japanのロゴも一新し、CAJロゴの新しいロゴにしましたけど気付いてます?
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下:もちろん気付いてますよ。でも馴染みがある人は昔の回路図みたいなCustom Audio Japanのロゴとか気に入ってた方も多いと思いますよ。
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柳:特にルークが好きな方はこのロゴの製品でないと、とか言われる事も多いですが新たなCAJロゴはそうではなくてこれからのユーザー様にアプローチして行くロゴなんですよ、ただ我々はカスタム物を多く作ってますので、そう言った物に関しましては回路図みたいなCustom Audio Japanロゴを使用しますよ。
ちょっと話しが逸れましたが、我々が考える機材は今までもそうですがシンプルでいてコントロールし易い、それでいて必要十分なスペックという事を考えてます。今回はMIDIは外してますが……、もちろんこれから新たにシステムを組まれる方、また今までエフェクトシステムを組まれている方がこのモデルに変えていただいても満足出来るモデルだと思います。
バッファーはRS616と同じクオリティ、スイッチングの切り換えも特殊回路が入ってます
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下:商品の特徴を簡単に教えていただけますか?
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柳:はい。まず1~4番までは今まで通りの直列ループですが、5番だけ独立しています。この独立ループはアースも完全に分離してますので、スイッチングで使用してもアンプのエフェクトループで使用してもグランドループのノイズは出ません。それとRS616、RS442と同じバッファーを入れてますので音質も変わらないですし内部でバッファーをOFFにする事も可能です。MIDIは搭載していません、MIDを搭載する事によりシステム自体が複雑になり、もちろんコストも上がりますのでこのモデルはあえて外しています。
もう一つ重要な事というか気付いたかどうかは分かりませんが、スイッチとスイッチの間隔がRS616、RS442と同じなんです。これは我々が今までの経験上この間隔が一番踏み間違いが無い最小限の間隔なんです。もちろん本体を小さくする為に間隔を狭める事は簡単ですが、それをやってしまうと踏み間違いの可能性が出て来るのでこれは譲れないですね。
そう言えば昔、RS616を発売した時によく言われたのが「RS616にコンパクトエフェクターを繋ぐと音が良くなる」って言われた事が結構あって、それで一部のミュージシャンがコンパクトエフェクターに走ると言う傾向が見受けられました。でも時が過ぎループの数やプリセットの数が多いとか価格の競争になっていき「繋ぐと音が良くなる」という事自体薄れていった様な気がするんですよ。このLoop and LinkはバッファーもRS616と同じクオリティの物ですしスイッチングの切り換えも特殊回路が入ってますので切り換えのノイズは出ません。また、名前の通りLink出来ます。ループが足りない方や将来的にエフェクターが増える方は、本体を拡張する事で10ループ11プリセットまで増やす事が可能です。
如何にプレーヤーに負担を掛けずにプレイに集中していただくか
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下:今までにないシンプルさですが、複雑なシステムを製作されていたCAJさんからすれば今回のこのLoop and Linkは意外な商品の様な感じがしますが……。
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柳:一昔前の機材を知っておられる方は、CAJとCAEの商品は複雑な機材をたくさん使用してMIDIで制御しプロ向けと言うイメージがあるかと思いますが、我々が考えているのはそうではなくて「如何に良いサウンドで(ノイズも無く)使い易く自身が使用している機材の性能を最大限に引き出せるか、プレーヤーに負担を掛けずにプレイに集中していただくか」という所なんです。それが複雑であろうが、シンプルであろうが最良のサウンドを引き出すにはそれらの機材が必要だったと言うことなんです。流石に今の時代に冷蔵庫みたいなラックを組む方も少なくなりましたし、RS616程のスペックが要らないという所でLoop and Linkを発売するに至りました。
皆さん一度使用してみてくだい。スイッチング時のノイズだとか音質、簡単にプリセットも出来必ず満足していただける内容となっています。
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下:なるほど。本日はありがとうございました。
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柳:ありがとうございました。
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CAJ Loop and Linkは、ミュート機能、バッファーのON/OFFスイッチ追加などの機能強化や、前モデルの約半分という驚異的な軽量化を実現した「Loop and Link II」へモデルチェンジを果たしています!