CAJ

一流のトップミュージシャンの機材組み込みを多数こなし一切の妥協を許さない完璧な仕事集団 Custom Audio Japan

今回はエフェクトシステムを構築する上でのノウハウ、さらに千葉氏にエフェクトシステムを組み込んでいただくという企画もスタートする事になり、その点に付いてもお話しをお聞きしました。

対談

(株)オカダインターナショナル
オーディオエンジニアリング事業部

千葉 成基

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MUSICLAND KEY
下田 紀彦

(L to R)
(株)オカダインターナショナル 千葉 氏
MUSIC LAND 下田

みなさんが感じてるノイズと私が感じてるノイズは少し違うかもしれません

  1. 下田(以下、下):今日はよろしくお願いします。

  2. 千葉(以下、千):こちらこそ、お願いします。

  3. 下:まず、我々がシステムを組むのと千葉さんが組むのとでは何が違いますか?

  4. 千:そうですね、決定的に言えるのはノイズ対策ですね。使用する機材の組み合わせによってノイズの出方は異なってきますのでそれをどう除去するかですね。デジタルディレイだと高い周波数がノイズとして出力されたりだとか、フェイザーもしくはトレモロなどで、うねりに合わせてノイズが乗っている事を経験された方もおられると思います。そういった場合の対策等ですね。

    それとレイアウトに関してですが、特にワウは一番ノイズが出ますね(笑)。ワウはコイルが入っていますから、結局ピックアップと一緒ですよ、しかも剥き出しでシールディングされてない物もありますから!某ブランドのワウは凄いですよ! あのノイズの拾い方は最大級ですね。多分ノイズ対策よりも音質を重視されているのではないかと思いますが。もちろんレイアウト等の変更でそれが出なくなるという事もあります。

    例えばノイズが出たとします、そうした際に電源を別に用意します。ラックシステムの場合ですと後ろに空間がありますので何とでもなったのですが、こういったエフェクトボードですと隙間に限りがあります。ほとんどの場合は組むエフェクターを見ればノイズが出る出ないの判断はある程度出来ますが、まずはテストを行ってから作業に入るのが基本となります。ボードに隙間が殆ど無い様なギチギチに詰め込む場合は、使用する電源機器を決定してからボードサイズを決定する場合もあります。

    グランドループに関して注意すべき点ですが、シグナルと電源からのグランドループも回避する場合があります。グランドリフトっていうスイッチが付いている機材とか目にするかと思いますが、正にそれと一緒でそれを電源でも行う場合があります。アイソレーションタイプの電源ですと個々にグランドが独立していますので、グランドループを心配する必要がありませんが日本の場合ですと電源アースのグランドを取らない場合が多くそこまでシビアではないですが、海外の場合ですと3Pinの電源をとるのが普通ですのでグランドループが発生しやすいです。

    最近某メーカーさんの電源でシステムを組む事がありますが、それは内部でグランドが切れる様に予めなっているのをご存知でした?

  5. 下:いや、気が付かなかったですね。ちょっと今度確認してみます。

  6. 千:そうですね、正直この電源の話しは尽きないですよ(笑)。その状況で色々変えてますから、こうすればいいという正解はないです。チューナーを使用してる時もノイズが出るという事もありますから……、これも対応策があると言う事ですね。

  7. 下:でも、これって普通みなさんやらないですよね?また、先程おっしゃった事を行うとノイズは完璧に無くなるという事でしょうか?

  8. 千:そうだと思います、ただノイズを気にしない方もおられますし、出て当たり前と思っていらっしゃる方もおられます。使用される方のストレスがないのが一番だと思いますので我々がシステムを組むのが絶対とは思わないですね。

    それとノイズですが、完璧に無くなるという事はありません、私が考えるのは例えばギターからアンプへ直に繋いだ時、所謂アンプ直には敵わないと思ってます。いかにそれに近づけるかですね。みなさんが感じてるノイズと私が感じてるノイズは少し違うかもしれません。

エフェクトボードシステムオーダーについて

  1. 下:今回、お客様からのオーダーを受け付け、千葉さんにエフェクトボードシステムを組んでいただくという企画(※)がスタートする事になりました。千葉さんにシステムを組み込んでいただく上で何かアドバイス等はございますか?

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  2. 千:そうですね、まずはエフェクターの接続順、例えばブースターでも歪みの前段に持ってくるのか、それとも後段に持ってくるのか、そういったのってみなさんあるじゃないですか。それを教えていただければ良いですね。逆にボードに配置するのはこちらで考えますので、もちろんこのエフェクターはボードの前に持って来て欲しいという事があれば予め指定してください。ただ、配置上それは?と言う時は相談します。

  3. 下:納期についてですが、どれ位の目安でしょうか?

  4. 千:作業時間はそんなに掛からないですが、その時々で別のシステムの組込み依頼が入ってたり、プロの方のツアーが始まるとなると、大きなシステムとかでまとまった時間が必要になる場合がありますので……。そうですね、大体1ヶ月をみていただきたいですね。もちろんそれよりも早めに仕上がる時もありますが、その時に要相談という事で。

  5. シンコーミュージックから出版されている「プロから盗むサウンド構築術 GUITAR SYSTEM NAVI.」にて、CAJ 千葉氏とFree The Tone 林氏のシステム対談が掲載されております。こちらもご覧ください!!

    詳細は、http://www.shinko-music.co.jpをチェック。