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身体の微弱な電流を触れることでサウンド生成する、ボディ・パッチ・シンセサイザー。
ENNERは、ビット音やパッド、FXサウンド、ノイズ、クリック音、グリッチなど多様な音色を生成できるのみならず、内蔵アナログ・エフェクト等を駆使したボーカルマイクとしても機能する、非常に表現力に優れたサウンド・ツールです。豊かな想像力を持ち、ENNERの演奏経験を積めば、このシンセ一台だけで非常に刺激的なパフォーマンスをすることができるでしょう。
ENNERは、音を作る全ての信号が演奏者の身体を通過して制御される、ということを基本原理としている、いち楽器としてとてもユニークなアナログ・シンセサイザーです。あなたの手が回路構成の中枢となるのです。指や手のひらのさまざな部分で、強弱の圧力を変えながら多種多様な接触パッドにタッチして、信号を身体に通過させることでミックス、ボリューム、音色、フィードバック、その他の様々なシンセシス・パラメーターが決定されます。人間の皮膚は、私たちの想像よりもはるかに複雑な電気特性を持っています。私たちの皮膚は抵抗値を提供するだけでなく、さまざまな静電容量特性や、パッドに触れて電流が流れている際の、その方向性やタイミングが成す非線形特性の導電率までも提供します。それら全てが音に影響を与えるため、あなた自身がシンセシスの重要な役割となるのです。
ENNERのポットは全て金属製で、入力としても出力としても機能します。ポットに触れることで、パラメーターを変化させるだけでなくオーディオ信号のパッチングも行うことができます。
■ENNER の構成
・固定周波数帯域特性をもつフィルター列 (中央の三角形):
ステレオ・ハイパス・フィルター(HPF)
ステレオ・バンドパス・フィルター(High Mid – BPFH)
ステレオ・バンドパス・フィルター(Low Mid – BPFL)
ステレオ・ローパス・フィルター(LPF)
ここでの「ステレオ」とは、フィルターがL/Rのチャンネルに個別の入力と個別の出力を持つことを意味します。指でフィルター・パッド上をなぞることで、各チャンネルが固有のボリューム特性を持つだけでなく固有の音色特性も備えた、豊かなステレオ・イメージを生成することができます。各フィルターの出力はミキシングされてメイン出力に接続されています。そしてこの三角形の中には、フィルターをバイパスするステレオ・ダイレクト・アウト(DIR)入力も存在します。
・モジュレーション・ステレオ・ディレイ:
ディレイの入力は三角形の頂点に位置する2つのパッド(DLY blue)です。ディレイの出力はフィルター出力にミキシングされてメイン出力に接続されています。また、三角形の頂点の両隣にはパッドに接続されたディレイ出力(DLY orange)があり、フィードバックなどの面白いエフェクトを生成できます。ディレイは2つの個別の回線(L/R)を持ち、個別のTIMEコントロール(ВРЕМЯポット)、共通のFEEDBACKポットと共通のセルフ・モジュレーション量調整ポット(BIZZARE)を備えています。ВРЕМЯポットはディレイ・タイムのモジュレーション入力も兼ねています。
・ENNERの右側には、5ボイス・シンセサイザーがあり、各ボイスの周波数の個別調整(TUNEポット)が可能で、さらに全ボイスのピッチを同時に変化させる(PITCHポット)こともできます。
各TUNEポットは対応するボイスの出力も兼ねているため、ポットに触れることでボイスをフィルター入力にパッチすることが可能です。シンセサイザー部は各ボイスに出力パッド(OUT 1-5)、個別モジュレーション入力(MOD 1-5)、リング・モジュレーション出力(RING 12, 23, 34 番号はどのボイスがリング・モジュレーションのソースとなるかを示しています)を備えています。MODパッドと任意のボイスのOUTパッドを指で繋ぐとピッチが上がります。5番目のボイスは、ピッチを下げることができるモジュレーション・パッドであるMOD 5- を備えています(5番ボイス出力を含む、正相の信号を持つ任意のパッドと、+12パッドを接続します)。
・ENNERの左側には、1つのマスター・ジェネレーターを持つ第2のシンセサイザーがあり、その出力を6段階に分割し、個別出力します(PULSE 1-6)。このシンセは、リズミカルなクリック音やベース、オクターブ音の作成を意図しています。マスター・ジェネレーターの周波数はTEMPOポットで設定します。出力パッド &1,2,3 は、PULSEの異なる論理乗算出力で、より複雑なリズムの組み合わせが可能です。
・ENNERは、エレクトロ/アコースティック・ノイズ楽器でもあります。フロントパネルに搭載されたピエゾ・ピックアップが筐体自体の鳴りをキャプチャーします。フロントパネルには出荷時から金属製のスプリングが張られており、またパネルに輪ゴムを張り巡らすことで様々なアコースティック・サウンドを鳴らすこともできます。ピエゾ・ピックアップは指で筐体を叩いたり擦ったりといった動作も音として拾うことが可能で、フィルターを通したフィードバック効果も作り出すことができます。それだけではなく、パネル上で歌う声をも拾うことが可能です。ピエゾ・ピックアップから音を得るには、PIEZO OUTパッドと任意のフィルターまたはディレイ入力パッドを接続します。パネルがマイクとして動作している時に、ピエゾ出力にフィルターやディレイを適用させて、ENNER出力から接続されたスピーカーからのオーディオ信号を拾うことで、アコースティック・フィードバック効果を作り出すことが可能です。PIEZO GAINポットでピエゾの感度を調整します。
・三角形の最下部(NOISE パッド)は常に一定のピンクノイズを出力します
・外部入力端子(EXT 入力端子, パッド)は外部オーディオ信号をENNERに送り、フィルターやディレイといったENNERの機能を適用することができます。
これらの特徴によって、ENNERはシンプルでありながら強力な音源とエフェクトのキットとしており、豊かで多種多様なサウンド・パレットを提供します。サウンド・コントロールはあなたの身体で触れるだけで行われるため、様々な演奏テクニックを素早く切り替えることができます。
ENNERは、デンマークのサウンド・アーティストであるSiSTOR (Dalin Waldo) にインスパイアされ、共同開発を行いました。フロントパネルのデザインと、ENNERという名前は彼女の考案です。
■SOMA ロゴ Tシャツ 付属
ENNER をご購入につき SOMA ロゴ Tシャツ (サイズ:M/L) 1枚が付属いたします。
スペック
■フィルターの配列
DIR パッド – ダイレクト入力 (フィルターなし)
HPF パッド – ハイパス・フィルター入力
BPFH パッド – バンドパス・フィルター・ハイ・ミッド入力
BPFL パッド – バンドパス・フィルター・ロー・ミッド入力
LPF パッド – ローパス・フィルター入力
(L – 左チャンネル、R – 右チャンネル)
■ピンクノイズジェネレーター
NOISE – ノイズ出力
■ディレイ
DLY パッド (青) – ディレイ入力
DLY パッド (オレンジ) – ディレイ出力
(L – 左チャンネル、R – 右チャンネル)
ВРЕМЯ ポット – ディレイタイム (L と R) およびタイムモジュレーション入力
UROBOROS ポット – フィードバック (両チャンネル)
BIZZARE ポット – ディレイ・セルフモジュレーション
■ピエゾ
PIEZO OUT パッド – ピエゾの出力
PIEZO GAIN ポット – ピエゾのゲイン増幅(ピエゾの出力)
■5 ボイス シンセ
OUT 1-5 パッド – ボイスの出力
MOD 1-5 パッド – ボイスのモジュレーション入力 (OUT に接続してみてください)
RING 12、23、34 パッド – さまざまなボイスの出力を乗算するリング・モジュレーターの出力
MOD 5- パッド – 5 番目のボイスの追加モジュレーション入力 (+12 に接続してみてください)
TUNE 1-5 ポット – ボイスの周波数 (ボイス出力でもあります)
PITCH ポット– すべてのボイスを一度に移調します。
■リズム/ベースシンセ
PULSE 1-6 パッド – バイナリ・ディバイダーの出力
& 1、2、3 パッド – 異なる PULSE 出力の論理 AND である追加ん9出力
TEMPO ポット– ソースジェネレーターの周波数ENNER V2.0 には、TEMPO ポットの隣に追加の 3.5mm ジャックがあります。
これは、リズムシンセを駆動できる外部クロック入力です(7 ボルト 0 からピークまで以上が必要です)。
■外部
EXT ソケット– 外部入力
EXT パッド – EXT ソケットの先端に接続される。
■電源
+12V 0.2A センター・プラスENNER では、優れた安定化およびフィルタリング機能を備えた電源が必要です。
入力範囲の広い最新のスイッチング電源をお勧めします。
電源アダプターは、製品に同梱されています。
■グランド
ENNER で再生しているときに電力網の干渉によるハム音が発生しないようにするには、デバイスを適切に接地(グランド)する必要があります。
ENNER が接続されているオーディオ機器への電源コードを通じて行われる電気ソケットでの通常のグランド接続で十分です。
■キットの内容
ENNER 本体
AC アダプター 12V センター・プラス
輪ゴム数本
【免責事項】
ENNER は、ボディ・パッチ・シンセサイザーです。微弱な電流が体に流れることを意味します。パッドに印加される電圧は 12 ボルトを超えず、人間や動物にとって絶対に安全です。これは、子供のおもちゃで一般的に使用されている PP3、E-Block バッテリーの電圧よりわずかに高いだけです。ほとんどの人にとって、一部のパッチで発生する可能性のあるわずかな感覚を除いて、指に何の感覚も引き起こしません。ギターを弾くと指先にタコができるのと同じように、これらの感覚は正常な副作用であると考えています。ただし、電気に対してより敏感な人の中には、ENNER を演奏中に不快な感覚を感じる人もいます。敏感なユーザーの体験をハードウェアの欠陥や保証ケースとして受け入れないことにご注意ください。あなたが非常に敏感な人の 1 人である場合、ボディパッチシンセはあなたにとって良い選択ではないかもしれません。購入を決定する際には、この点を考慮してください。また、体内に心臓刺激装置や類似の医療機器が埋め込まれている場合は、 ENNER を購入して使用する前に必ず医師に相談してください。
ENNER は、ポットのシャフトをパッチング用の追加接点として使用しています。これはポット構造の標準的な使用法ではなく、信号が接続されるポットのシャフトとポット本体の間の一定した良好な接触を保証することなく設計されています。そのため、ポットをサウンド出力として同時に使用すると、ポットの回転中に時々パチパチという音が発生することがあります。この機能は実験的なものであるため、そのようなパチパチ音の存在を理由にユニットが故障しているとみなして保証ケースを開くことはできません。また、ポットを数回前後に回転させると、通常は接触が再び良好になります。要するに、これは実験的な機能であり、ポット構造の珍しい使用法であるため、ポットのパフォーマンスと、当社の革新的なアプローチが提供する独自の機能についてはご理解いただければ幸いです。
ENNER はトップパネルとして PCB を使用しています。PCB は標準的な製造手順を使用して電子機器工場で製造されています。このため、PCB には製造工程に固有の小さな傷や跡がある場合があります。このような小さな欠陥は、ほとんどの場合、綿密な検査を行わない限りほとんど目に見えないため、製品の返品や交換の理由として受け入れられません。当然のことながら、ひどく損傷した PCB や欠陥のある PCB はすべて廃棄し、Enner には使用しません。
ENNER のすべてのオーディオ信号は人体を通して流れるため、グランド(接地)が適切であっても、オーディオ出力には常に弱いハム音や干渉音が存在します。ただし、グランド(接地)が適切に行われていれば、このハム音は実際のパフォーマンスでは聞こえません (こちらのビデオでレベルを確認できます)。ENNER 入力に触れると聞こえるような弱いハム音は、ユニットに欠陥があることを意味するものではなく、保証修理または交換の対象にはなりません。