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Panharmonium(パンハーモニウム)はあらゆるオーディオ信号のスペクトル成分の分析結果からサウンドを生成するオシレーター・モジュールです。Rossum Electro-music のソフトウェア設計者である Bob Bliss(E-MU サンプラーに搭載されていたオペレーション・システム「EOS」の生みの親でもあります。)により開発された Panharmonium はこれまでにない方法でサウンドを生み出す革新的なモジュールです。
入力されたオーディオ信号は内蔵されたスペクトル・アナライザーにより分析され、その分析結果に基づき最大33ものオシレーターで構成されるオシレーター・バンクを駆動させてサウンドを生成します。
Panharmonium はさまざまなコントロール設定に応じてリアルタイムに入力スペクトルを正確に再現する事ができます。
またそれをとてもユニークな方法で修正する事もできます。
直感的なインターフェースによりパフォーマンスとの相互作用を生み出します。
Panharmonium の入力は単一のオシレーターからボーカルを含んだミックスまで何でも入力する事が可能です。
入力のスペクトルの変化に伴って変化する、濃密にうねるパッド・サウンドやドローン・サウンドから、クロックとの同期が可能なスペクトラムのアルペジエーション、そしてまだ名前のないハーモニック・エフェクトまで、Panharmonium は全く新しいサウンドの可能性を切り開きます。
さらに Panharmonium はある瞬間のスペクトルのスナップ・ショットを作成し、それを複雑なハーモニック・オシレーターとして使用する事ができます。これを Panharmonium の他の全てのコントロールで修正と調整をする事ができます。
Panharmonium は機能的なサブモジュールのコンビネーションにより魔法とも言える効果を生み出します。
▼スペクトル・アナライザー
スペクトル・アナライザーは分析プロセスを定義するためのツールです。
SLICE パラメーターは入力したオーディオ信号がスペクトル・データーに変換されるレートを設定します。
SLICE と MULTIPLIER コントロール、TAP ボタン、また外部クロック信号で設定できます。
SLICE の設定が非常に短い時間だとリアルタイムにスペクトル・データを得られ、長い時間だとリズミカルなスペクトル・パターンが作成されます。
CENTER FREQ と BANDWIDTH コントロール(および関連するCV入力とアッテネーター)は分析される周波数の範囲をコントロールします。
BANDWIDTH のコントロールはノブの左側でバンドパスタイプに、ノブの右側でノッチになりそれぞれ範囲をコントロールできます。
CV コントロールでフリーケンシーをスイープして BANDWIDTH をコントロールすれば幅広いソニック・エフェクトをを生み出します。
Freeze ボタンをクリックするとスペクトル・インテグレーターをフリーズして、現在分析されているスペクトルを保持する事ができます。
▼スペクトル・モディファイア
これらのコントロールは分析されたスペクトルをクリエイティブに修正する事ができます。
VOICE パラメーターは、スペクトルを再合成するためのオシレーターの数を1〜33の間で選択できます。
BLUR(ぼかし) パラメータ(および関連するCV入力)はスペクトルがどれだけ速く変化するかをコントロールするスペクトルのラグ(遅延)・プロセッサです。
FEEDBACK コントロールを使用すると再合成されたオーディオをプロセッシング・チェーン全体に戻し、わずかな効果から劇的な効果まで生むフィードバック・サウンドを得ることができます。
最大値に設定するとオーディオ入力が削除されても出力は自立的に保持され続けます。
▼オシレーター・バンク
OSCILLATOR BANK は分析されたスペクトルを再合成します。
WAVEFORM パラメーターはオシレーターの波形を選択します。
サイン波、三角波、ノコギリ波、パルス波形加え、2つの特別なクロスフェード・サイン波とクロスフェード・ノコギリ波が含まれています。
FREQ コントロールは、+ / - 7半音の範囲でオシレーターのピッチを調整できます。
フリーケンシーは、1V/Oct 入力、FM 入力およびアッテネーターによってさらに制御されます。
OCTAVE コントロールはアウトプットのピッチをオクターブ・シフトします。
GLIDE パラメータはポリフォニック・グライドの量を設定します。(各オシレータにはそれぞれ独立したグライド回路が用意されています。)
MIX(および関連するCV入力)は元のオーディオ信号と再合成されたオーディオのバランスを設定します。
▼オプション機能
OUTPUT MODE ボタンと TAP ボタンを使用していくつかのオプション機能を選択できます。
OUTPUT MODE ボタンを押しながら SLICE コントロールを調整すると DRUM MODE が有効になり、ドラムやその他のパーカッシブなサウンドのスペクトル分析に最適化されます。
OUTPUT MODE ボタンを押しながら FREQ コントロールを調整すると、SPECTRAL WARPING が有効になります。
スペクトル要素間のハーモニックの関係性が維持される従来のフリーケンシー・コントロールとは対照的に、SPECTRAL WARPING はハーモニック要素を個別にシフトし、さまざまな金属的なサウンドや濃密なテクスチャを生成します。
TAP ボタンを押しながら FREQ コントロールを調整すると、フリーケンシー・コントロールが半音単位にクォンタイズされます。
▼スペクトル・メモリとプリセット
Panharmonium は12のユーザー・スペクトル・メモリーと12のユーザー・プリセットが用意されています。
スペクトル・メモリーはユーザーが作成したフリーズ・スライスを最大12個まで保存できます。
選択すると最大33オシレータの広さを持つスペクトラムが全てライブ入力に置き換わり 1V/Oct 入力と FM コントロールでピッチをコントロールできます。
プリセットは保存された時点で存在しているCVの値とともに、モジュールの全ての設定を保存するスナップショットです。
スペック
●幅:26HP
●奥行き:25mm
●消費電流
+12V:140mA
-12V:30mA