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1970年代、スウェーデンのプログレッシブな音楽シーンでは多くの実験が行われていました。“Trad gras & stenar”、“Kaipa”、“Peps Person Blodsband”、“Samla Mammas Manna”……彼らはオリジナルCarlin Pedalsを使用し、様々な音を作り出しました。
Cariln Ring Modulatorは、伝説のヴィンテージブランド、Carlin Pedalsの中で最も知られていないペダルではないでしょうか。
あまりにも数が少ないため、ほとんどのプレイヤーは見たこともないでしょう。オリジナルモデルは3台しか制作されませんでした。
鋭いハーモニクスと強くざらついたサウンドが特徴の、トゥルーアナログリングモジュレーターです。2つのインプットシグナルをブレンドし、相互作用を起こすことも可能です。通常のリングモジュレーターとしてだけでなく、全く新しい音の実験装置となるのです。
Moody Sounds Cariln Ring Modulator Cloneは、様々な使い方のできるリングモジュレーターペダルです。最もシンプルな方法はギターインプットとアンプアウトのみ。スタンダードなモノラルエフェクトとして動作します。ダーティで独特のハーモニクスを持ったサウンド。荒っぽいジリっとしたリングモジュレータートーンです。センシティビティが高いため、ピッキング等でトーンを変えることも出来ます。応答性は良質なファズペダルのようですが、音は全く異なっています。
また、ブーストペダルなどを前段に設置し、強いシグナルを入力するとナチュラルなコンプレッションがかかったサウンドになります。1インプット、1アウトプット、Mix AとVolのみを使用するスタイルはトラディショナルなセットアップです。
しかし、Cariln Ring Modulator Cloneはこれで終わりではありません。もっと実験的な使い方が可能です。2つのインプットに別のシグナルが入力されれば、その音が相互作用を起こし、組み合わさった全く違う音が出力されます。ギタートーンを無限大に変えることのできるペダルなのです。モジュレーションが強すぎるなら、Mix Aを下げるだけです。
例えばアウトプットBとインプットBをパッチケーブルで接続しても違った音になりますし、その間に別のエフェクトを通してもさらに変わった音を作ることができます。
■“クローン”はどの程度クローンなのか
Moody Sounds Cariln Ring Modulator Cloneのメイン回路は、1970年に開発されたCarlin Ring Modulatorの回路を使用しています。オリジナルモデルは1ノブでしたが3ノブに進化させ、2つのインプットとアウトプットにそれぞれバッファを内蔵しました。こうすることで2台のアンプに出力することも、インピーダンスの問題によるトレブルの損失にも対応しました。
また、70年代当時のエフェクターは、操作性の面で使いにくいところがあるため、それらは改善しています。例えばオリジナルペダルは左側にインプットがあり、エフェクトONを示すLEDはありませんでした。これらの使いにくい点を改良し、現代の基準に合わせた変更と、それにともなう基板パターンの変更は行っています。
・“Clone”はトゥルーバイパスです。
・“Clone”は多くのエフェクター同様、右側にインプットジャックがあります。
・“Clone”はエフェクトON/OFFを示すLEDインジケータを搭載しています。
・“Clone”はセンターマイナスDC9Vアダプターで駆動します。(電池駆動はできません。)
・“Clone”には3つのコントロールノブを搭載しています。(オリジナルはVolのみ)
・“Clone”はエフェクトON時、2つのアウトプットはバッファードアウトです。
Carlin Ring Modulator Cloneはハンマーライトと呼ばれるペイントを施しています。ロゴは金属板にステッカーデカールを使用したもので、筐体にネジ留めされています。
Carlin Ring Modulator Cloneはスウェーデンにて手作業で制作されています。
■コントロール
MIX A:アウトプットAから出力されるシグナルの、クリーンシグナルとエフェクトシグナルのミックスを調整します。
MIX B:アウトプットBから出力されるシグナルの、クリーンシグナルとエフェクトシグナルのミックスを調整します。
VOL:アウトプットAの音量を調整します。
・モノラルモード
スタンダードなエフェクター同様、モノラルで使用する場合はインプットA、アウトプットAをギターやアンプと接続します。
・ステレオモード(1インプット/2アウトプット)
Carlin Ring Modulator Cloneには2つのバッファードアウトプットがあります。アウトプットBのサウンドはMIX Bでコントロールできます。2つのアンプや出力先へと設定を変えて出力することが出来ます。
・ステレオモード(2インプット/2アウトプット)
Carlin Ring Modulator Cloneの2つのインプットには全く違ったサウンドソースを入力し、組み合わせて相互作用させることができます。これらのシグナルは2つのアウトプットから同時に出力されます。
■Carlin Pedals
Moody Soundsがニルスオロフ・カーリンの協力を得て、伝説のヴィンテージペダルを甦らせます。
ニルスオロフ・カーリン。1970年代にCarlin Pedalsの制作を行っていた人物です。スウェーデンのルンドに本拠を置いたCarlin Pedalsは、現在のハンドメイドエフェクターブランドの先駆けのような存在です。
そのユニークなペダルはスウェーデンのロックシーンはもちろん、世界のヴィンテージペダル愛好家の間でも知られる伝説の1つです。
Carlin Pedalsの復刻は、ある問い合わせから始まりました。それはMoody Soundsのカスタマーからの、伝説のCarlin Compressorを作ることができないかというものでした。
Moody Soundsではすぐにニルスオロフ・カーリンに連絡を取り、本人の協力の元、Carlin Pedalsの復刻が実現することになりました。
スペック
■電源:6〜12VDC
■電源端子:2.1mmバレルタイプ センターマイナス
■消費電流:4mA(9V)
■重さ:360g
■サイズ:125×100×55mm
Carlin Ring Modulator was designed by Nils Olof Carlin in 1970.
Reissue/clone was worked out by Albin Roslund in cooper at in Co-operation with Nils Olof.