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Catalinbread SFTは、“ゲット・ヤー〜”から“デザートサウンド”まで、歴史を作り上げたアンペグトーンを再現するオーバードライブペダルです。
アンペグトーンはいつでもすぐそばにありました。歴史的に、初期のアンペグはジャズ・ピュアリストのためのメーカーでした。そのため、フェンダーやマーシャルが中心のカントリーやロックなど、ポピュラーなジャンルとは違ったスタイルが原点にあります。
アンペグのアンプを設計の観点から見ると、ギタリストよりもハイファイの世界の要素が大きいことが分かります。真空管への接し方、カソードキャパシタの無いゲインステージ、バクサンドールトーンコントロールの実装などがそれを示しています。さらにアンペグはイノベーションを止めようとはしませんでした。“フリップトップ”コンボはまさにその典型的な例です。トーションバーでスピーカーバッフルのタイトさを調整できるアンプが存在していたことも言うまでもありません。
アンペグのイノベーションで最も重要なものは、音楽ジャンルへの向き合い方です。それまでのジャズ純粋主義を180°反転させました。その契機が1969年、ストーンズのアメリカンツアーです。この時、カナダとアメリカの国境でアンプを押収されたローリングストーンズをサポートするため、8台とバックアップ1台のSVTアンプのプロトタイプを製作します。
“ゲット・ヤー〜”を聞いたことがある者は誰もが知る、あの弾力性のある豊かなギターとベースのサウンド。VT40とVT22を使用して鳴らされた音であり、70年代後期まで、ストーンズのサウンドを作り上げました。
その後もアンペグSVTは、ロックンロールのスタンダードベースアンプでありつづけました。
ストーナーロックを代表するギタリスト、ジョシュは、カリフォルニア、パームデザートでのライブにSVTを選びました。そしてその圧巻のギターサウンドはその場所の名前をとり、デザートサウンドと呼ばれるようになりました。
Catalinbread SFTは、この偉大なSVTからインスピレーションを受けて開発したオーバードライブです。あの独特の、“歪んでいない”けれども“クリーンとも違う”サウンド。最高のチューブアンプだけが持つあの音です。生々しく、弾力性があり、高いレスポンスを備える。それをペダルで再現するのは簡単ではありませんでした。
そして、激しいJFETファズペダルとして使うことのできるペダルを作るのもまた困難です。SFTは、この2つを両立させました。
ゲインステージ全体で正確なバイアスポイントを見つけ、トーンスタックのチューニングを行い、正しいピックアタックとレゾナンスに対応できる回路を作り上げました。SFTはローE弦でも完璧に動作します。
SFTは大出力アンプをクランクアップした時のレスポンスを、音量を上げること無く再現します。これはクリーンでフラットなアンプでも実感できます。SFTはまさにプリアンプのように使うことが出来、他のファズ、ブースト、オーバードライブと組み合わせてもアンプのように動作します。
始めてSFTに触れる時は、まずはSFTとクリーンアンプを組み合わせ、SFTの特性を知ってください。
■STONES/STONERモード
SFTに搭載された、STONES/STONERスイッチは、SFTを完全に再構成し、全く違った音を作ることができます。まるでジキルとハイドのように、SFTを豹変させます。
STONESモードでは洗練されたクラシックなロックンロールトーンが、STONERモードでは解き放たれた獣の唸り声のような生々しいトーンが得られます。
大出力チューブアンプの持つ極上のトーンが必要で、プリアンプ的に使用するならSTONESモードを、ファズに近いハイゲインドライブトーンが必要ならSTONERモードを選択してください。
■コントロール
・TREBLE/BASSノブ
この2つのノブは音色のイコライジングを行います。それぞれ12時の位置でフラットとなり、12時を下回るとカット、超えるとブーストします。それぞれの周波数はSFTの特性に合わせてチューニングを施しています。
TREBLE/BASSノブを12時に設定すると、オリジナルアンペグの持つローミッドが少しだけ強調されるビッグボディなトーンが得られます。ミッドレンジを強調したい時は、Bassを9時、Trebleを12時に設定するところから音作りを初めます。TREBLEコントロールはアッパーミッド〜ハイの帯域に調整されているため、TREBLEを高くするとミッドレンジも同時に強調されます。TREBLEを12時〜1時半のあたりに設定すると、ハイが強くなりすぎず、ミッドを強調できます。さらにGAINコントロールを上げることでもミッドレンジがプッシュされます。
逆にミッドレンジを抑えたい時は、TREBLEとBASSノブを高く設定します。特にGAINが低い時に有効です。
・BASSノブのレンジ
BASSノブを低く設定すると、200Hzあたりのハイパスコントロールとなります。音がこもったり、太く分厚くなりすぎる時に音色をタイトにまとめることができます。BASSコントロールを上げれば、200Hz辺りをブーストすることがができます。さらにBASSコントロールを最大にすると、ローエンドが強くブーストされます。このセッティングは特にSTONERモードで極悪なローエンドを作る時に最適です。
・TREBLEノブのレンジ
TREBLEノブを12時の位置から下げていくと、1000Hzあたりのローパスコントロールとなります。一般的に、TREBLEを12時より下げる場合、ゲインを低く設定した時かSTONERモードで“ウーリー”なファズを作る時、またはベースで使用している時です。
TREBLEノブを上げ、12〜2時辺りまではアッパーミッドが強調され、それ以降はトレブルが強くなります。ギターでSTONERモード時、セッティングは12〜2時を基本としてみてください。
・GAINノブ(STONESモード)
STONESモードで、GAINノブのレンジは大型の1VolアンプのVolumeコントロールと同等に調整されています。最小から10時あたりまではレスポンスが高いクリーンでブライトなトーンです。10時から12時までは歪みとクリーンの中間で、ピッキングによりドライブを調整できるセンシティブなトーンとなります。12〜2時では多くのチューブアンプで作るオーバードライブのスウィートスポットに、さらに上げればクランチ〜サチュレーションの強いサウンドに変わります。
まさに本物のチューブアンプと同様、SFTは接続するギターによってもその反応が変わります。低出力のギターではGAINセッティングに対し歪みは弱くクリーンなトーンに、高出力ギターでは歪みやすいトーンになります。
また、本物のチューブアンプ同様、SFTはギターのVolumeセッティングにも高い反応を示します。
さらに、1VolアンプのようにTREBLE/BASSコントロールの設定をGAINの設定に合わせて変えることで、より詳細に好みの音色を見つけることができます。
・VOLUMEノブ
SFTはクリーン、ローゲインセッティングでも高い音量を出力できるように設定しています。GAINコントロールを低く設定していても、VOLUMEノブで出力をブーストすることでクリーンブーストのように使うことができます。逆に、STONERモードでGAINを上げた状態などではVOLUMEを高く設定しすぎないように注意してください。
・STONERモード
STONERモードで、各コントロールノブはSTONESモードと基本的に同様の動作をしますが、GAINやTREBLEノブ、BASSはSTONESモードより低い設定を基本に音作りを行って下さい。
また、STONERモードではコントロールを高く設定すると、エクストリームなサウンドと同時にノイズも大きくなります。
STONESモードでタイトなディストーションサウンドを作りたい時は、まずTREBLE/BASSとGAINノブを低くしてから音作りをはじめて下さい。また、ギターのVolume、Toneコントロールによっても音色を変えられることを忘れないで下さい。