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Catalinbread CSIDMANは、アナログドライパスのデジタルエフェクトです。DSPベースのグリッチ/スタッターエフェクトであり、ディレイペダルです。ディレイとしては出来る限りフィルタリングを減らし、入力音をそのまま出力できるように作られています。
傷の入ったディスクを読み込んだ時のようなランダムなグリッチ/スタッターエフェクトを作ります。その「ランダムさ」をコントロールすることも可能です。
グリッチ/スタッター効果を使用した伝説的なパフォーマンスを見て以来、何年もその衝撃が頭の中に残っていました。まさにパフォーマンスのピークです。
素晴らしいが、ただの一発芸ではないか?そうも考えましたが、そうではありません。グリッチ/スタッターは上品なサウンドと合わせた時のポテンシャルの高さにも気付きました。
グリッチ。似たエフェクトが他にあるだろうかと考えました。例えばエコーエフェクトは渓谷の中を響く反響という経験から作られています。グリッチという効果にも同様の経験があるのでしょうか。
そして思い当たりました。プリリードバッファの無い、古いポータブルCDプレヤーです。少しの衝撃で音飛びを繰り返すあの経験。これこそグリッチエフェクトの起源かも知れません。
あの経験を人々がすることはもう無いでしょう。音楽は革新的な進歩を遂げ、125年の間に蓄音機はデジタルプレイヤーへと変貌を遂げました。
しかし、音楽を創造するためには、過去の技術も必要となります。これだけデジタルが進歩を遂げた時代に、テープエコーを求めるプレイヤーは後を経ちません。
一世を風靡したポータブルCDプレイヤー。初期に発売されたプリリードバッファの無い機種は、バンプを越える度に音を飛ばしたり、同じ場所を再生したりを繰り返しました。いくつもの単3電池をストックしておく必要もありました。
当時はフラストレーションが溜まるだけの経験でしたが、もはや同じ経験をすることはできません。
CSIDMAN (ディスクマン)の名は、その経験を思い出させます。
■クイックスタート
まずCSIDMANをアンプに接続します。LATCHを反時計回り最小に、CUTSノブを無視してTIME、MIX、FEEDでスタンダードなディレイサウンドを作ります。
続いてLATCHノブを上げていき、グリッチを起こします。CUTSノブを反時計回りに回せば、スライスが大きく、時計回りに回せばスライスが小さくなります。
しばらく使っていると、FEED、CUTS、LATCHの相関関係が見えていきます。FEEDを高くするとLATCHの効果が強くなります。FEED、CUTS、LATCHノブの設定によって、様々な効果を作ることができます。効果がどのように起こるかがランダムであることを念頭に、これらのノブを設定してみてください。
■コントロール
TIME:最大725msまでのディレイタイムを設定します。グリッチのレートとしても操作できます。
MIX:ドライシグナルとエフェクトのバランスを調整します。100%ウェットから100%ドライまで設定できます。
FEED:ユニットのフィードバックをコントロールします。
CUTS:LATCHノブと相互に作用します。バッファメモリの長さを調整します。
LATCH:CSIDMANがラッチングスキップステート時に音をスキップするサイクルを設定します。反時計回り最小の設定ではスキップは行わず、トラディショナルなデジタルディレイになります。時計回り最大に設定すると、FEEDやCUTSの設定により様々な効果となります。何もエフェクトがかからなかったり、発振を繰り返したりします。中央に設定すれば、スキップとスキップしない状態が50:50でランダムに発生します。
■セッティング例
・スキッピングCD
MIX:時計回り最大
FEED:反時計回り最小からプレイングダイナミクスにエフェクトが反応する程度に設定
TIME:お好みで
CUTS:12時付近
LATCH:12時付近
・アンビエントコラボレーター
MIX:12時付近を基本にお好みで
FEED:どこに設定してもプレイングダイナミクスに反応してクールなオーバーロードを作ります
TIME:お好みで、9〜12時あたりがおすすめ
CUTS:12時以下
LATCH:12時付近
■内部トリムポットとスイッチ
内部のGainトリムポットで全体の音量とエフェクトのかかりをブーストすることもできます。ブーストすると強烈な歪みや音割れを発生させることもできます。
また、内部のスイッチを切り替えることで、トゥルーバイパスとバッファードバイパスを選択できます。バッファードバイパスではエフェクトをOFFにしても最後の残響が残ります。
■電源
CSIDMANはスタンダードなセンターマイナスDC9〜18Vアダプターで駆動します。電池はご使用になれません。
高電圧で駆動することで、高いヘッドルームと音量、パーカッシブなアタックを作ることができます。
■CREDITS
回路設計/オーディオエンジニア:Howard Gee
DSPエンジニア/コンセプト:Nicholas Harris
アートワーク:David Medel Weirdbeard72